【10月6日 AFP】(更新、写真追加)ノルウェー・ノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)は6日、2017年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を反核団体「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に授与すると発表した。ICANは長年にわたる核兵器廃絶への取り組みが評価され、北朝鮮やイランの核開発をめぐる問題が深刻化する中での授賞となった。

 ノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイスアンデルセン(Berit Reiss-Andersen)委員長は授賞理由について、「核兵器の使用がもたらす人類の破滅的結末への注意喚起の取り組み、条約に基づいた核兵器禁止を実現するための画期的な努力」を挙げた。

 また広島と長崎への原爆投下から70年以上が経過し、北朝鮮の核開発をめぐる緊張が高まる中、ノーベル賞委員会はICANの核兵器廃絶に向けた不断の努力を強調した。

 ICANは2007年に300を超えるNGOが協力してウィーン(Vienna)で正式に発足。以降、核廃絶のためにメンバーらは核拡散などに関する禁止条約の交渉推進を働き掛けるなど、たゆみない活動を続けてきた。

 今年7月に国連(UN)で122か国の賛成により採択された核兵器禁止条約においても、ICANは中心的な役割を担った。しかし、米国、英国、フランス、ロシア、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの核保有9か国は条約に関する交渉や投票には参加しなかった。

 レイスアンデルセン委員長は、「今年の平和賞はこれらの国々に対し、世界に存在するおよそ1万5000発の核兵器の段階的で偏りのない、注意深い監視の下での廃棄を目指した真剣な交渉の開始を求める呼び掛けでもある」と述べた。(c)AFP