【10月6日 AFP】サッカースペイン代表の主将を務めるセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)は5日、同国北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立をめぐる国王フェリペ6世(King Felipe VI)のテレビ演説は「完璧だった」と発言し、母国のチームメートとの間に緊張感を高めた。

 フェリペ6世は3日の演説で、独立への動きは「違憲」であると述べる一方で、1日の住民投票で有権者に警察が暴力を振るって負傷者が出たことには一切触れず、カタルーニャに住む多くの人々を失望させた。

 同国一部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するラモスは、W杯ロシア大会(2018 World Cup)欧州予選のアルバニア戦を控えた記者会見でその演説について、「スペイン国民全員のために必要だった」と確信しているとコメント。さらに、「国王には頭が下がる。彼がアトレティコ・マドリード(Atletico Madrid)のファンであるという事実もあるが、それでも自分は国王のことが好きだ」と同都市のライバルに言及しながら語った。

 1日の住民投票で警察が行った厳しい取り締まり行為については、FCバルセロナ(FC Barcelona)のDFジェラール・ピケ(Gerard Pique)が先日、激しい批判を繰り広げて代表チームの公開練習中にブーイングを浴びた。

 ラモスは前週、ピケは自分の考えを胸に押しとどめておくべきだと語っていたが、この日はカタルーニャ問題によってチーム精神が損なわれることはないとして、「われわれは人格も考え方も違うが、素晴らしい関係を築いている」と強調した。

 スペイン政府は同日、カタルーニャとの政治危機をめぐる調停については断固として拒否する姿勢を示しており、双方は再び衝突する可能性がある。(c)AFP