トランプ大統領、ハリケーン被災のプエルトリコ訪問 災害対応「誇っていい」
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【10月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、ハリケーン「マリア(Maria)」の直撃を受けた米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)を訪問し、被災者と握手し、犠牲者が少なかったことを「誇っていい」と述べた。被災地訪問の狙いはトランプ政権の災害対応に対する批判の声を黙らせることにあるとみられている。
トランプ大統領はメラニア(Melania Trump)夫人を伴い、中流階級が暮らす郊外の町グアイナボ(Guaynabo)を訪問し、2週間前に直撃したマリアによる猛烈な風で倒れた木や看板の間を歩いた。
大統領は住民に家の状態を尋ねたり、住民と一緒に写真を撮ったりした。支援物資の分配が行われている教会に立ち寄ると、携帯電話で写真を撮る人たちに向けてバスケットボールのようにペーパータオルを投げた。
トランプ大統領はムニス国家航空警備隊基地(Muniz Air National Guard Base)に到着し、5時間の被災地訪問を始めると、集まった防災担当者らに対し自分たちの災害対応を「とても誇っていい」と述べた。
しかしトランプ大統領のコメントの大半は自身の批判者を黙らせるためのものだったとみられる。トランプ大統領は当局者らを呼び寄せて災害対応について褒めちぎり、これまでのハリケーンの被害と比較した。
トランプ大統領は「われわれは大勢の命を救った」と述べ、2005年にルイジアナ(Louisiana)州ニューオーリンズ(New Orleans)を襲ったハリケーン「カトリーナ(Katrina)」よりも被害が少なかったことに言及した。
トランプ大統領は「カトリーナのような本当の大災害とその途方もない数の死者を見てからここのハリケーン被害を見ると、まったく圧倒される」「こんなのは今まで誰も見たことがない。何人死んだ?」と述べた。この時点での死者数は16人だった。その後トランプ氏は今回の災害対応は「奇跡というほかない」と述べた。
プエルトリコのリカルド・ロセジョ(Ricardo Rossello)知事は後に、死者数が倍増したと発表した。ロセジョ知事は記者会見で「死者数は今朝の時点で16人だったが、今では34人となった」と述べた。
ロセジョ知事によると、犠牲者の死因は水死、家屋倒壊の際の負傷、停電による人工呼吸器の停止などだという。(c)AFP/Leila MACOR, Jerome CARTILLIER, with Andrew BEATTY in Washington