ベガス銃乱射犯の真上に滞在の男性、「大混乱」の現場を回想
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【10月3日 AFP】米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で発生した米国史上最悪の銃乱射事件に居合わせたITコンサルタントのラルフ・ロドリゲス(Ralph Rodriguez)さんは、恐怖におびえながら現場から逃げ出し宿泊先のホテルに戻ると、事件の容疑者が実は自分の真下の部屋から犯行に及んでいたことを知った。
ロドリゲスさんは、カジノホテル「マンダレイ・ベイ(Mandalay Bay)」で週末を過ごし、1日夜にはカントリーミュージックのスター、ジェイソン・アルディーン(Jason Aldean)さんのコンサートを楽しんでいた。その時、銃声が野外会場の辺りに響き始めた。
AFPの取材に応じたロドリゲスさんは、コンサートを訪れていた人たちが銃声に気付いてパニックに陥り逃げ惑う恐るべき瞬間を語った。
「(アルディーンさんの)曲が2つか3つ終わった時、ステージの右側から爆竹のような音が聞こえた。だけどその音はやまなかった」
「ステージの照明が消え、バンドのメンバーがステージを走って下りた時、コンサート会場で立っていた人たち皆が、僕たちの方に押し寄せてきたんだ」
ロドリゲスさんによると、その場にいた人たちは、赤の他人の手も取って逃げるのを助けようとしていたという。「恐ろしい経験だった。だが誰もが誰かを助けていた」
自分の子どもではない小さな子を抱き上げる人や「知らない人が乗っている車いすを押していた人たちもいた。できることを何でもしていたんだ」と語っている。
ただ、どこから銃弾を受けているかが分からず「ひどく混乱した状況だった」と当時の様子を説明した。
遠くの出口に向かって走り続けるよう誘導されたが、何らかの原因で利用できなかったため、「10フィート(約3メートル)のフェンスを登らなければならなかった」と語っている。柵をはしご代わりに使ったという。
ロドリゲスさんがようやく宿泊先のマンダレイ・ベイに戻った時、スティーブン・クレイグ・パドック(Stephen Craig Paddock)容疑者が真下の部屋に宿泊していたことを知った。
「彼(容疑者)は32階の134号室にいて、僕は33階の134号室だった」という。「きょうは、風が吹いて彼の部屋のカーテンが巻き上がって僕の窓に当たったんだ。まったくぞっとしたよ」(c)AFP/Frankie TAGGART