住宅密集都市に対する不動産取引抑制策、中国各地で相次いで発表
このニュースをシェア
【10月10日 CNS】9月22〜23日の2日間で、中国の重慶(Chongqing)、南昌(Nanchang)、西安(Xi'an)、南寧(Nanning)、長沙(Changsha)、貴陽(Guiyang)、石家荘(Shijiazhuang)などの密集都市に対し、不動産市場を抑制する新政策が発表された。業界内では、住宅価格が依然として上昇を続けていることから、政府主導によって中堅都市の不動産取引の抑制を強化し、今後、同様の密集都市に対しても引き続き抑制を強めていくとみられている。
中国では、今年の3月にアモイ市(Xiamen)が販売抑制政策を発表して以降、同様の政策が広まりつつある。年内には成都(Chengdu)、福州(Fuzhou)、青島(Qingdao)など、40都市近くが続々と、新規物件への不動産権利証書の取得後に、転売などに一定の年数制限(期限は2~10年)を定めた市場取引が実施されることになるだろう。一定期間内の物件販売を凍結させる政策は、転売目的で不動産購入を一斉に抑制するための「大きな一手」だ。
【重慶:新規購入住宅に対する2年以内の取引は不可】
重慶市国土房管局が9月22日に発表したところによると、同市の主要区内で新たに購入した新築・中古住宅に対して、購入者は必ず「不動産の権利証書」を所有し、購入から満2年を超えたのち、新たに売りに出すことができるようになる。同通知は、翌23日より実施された。
効力が発生するのは、新築物件は不動産売買契約書にサインをした当日からを基準とし、中古物件は「不動産所有権登記受理通知書」を取得した日からを基準とする。
【南昌:住宅価格制限による不動産売買を前提とした土地供給】
南昌市政府弁公庁は9月22日、「住宅価格を制限した上で、土地価格を競わせる」政策を発表した。同市内での住宅用地と住宅兼事業混合用地が対象。この政策により土地を購入した者が販売や転売を行う場合は、住宅価格、対象の売り手、転売の3つを厳しく制限する。
同23日以降に全市共通で新たな取引によって購入された物件は、一部を除き「不動産の権利証書」を所有し、満2年以降にまた新たに販売することができる。
【南寧:法人による2軒以上の住宅購入には2年の販売制限】
南寧住管局は9月22日、企業などの法人が南寧市内(武鳴区以外)で2軒以上の物件(新築・中古含む)を購入する場合、「不動産権利証書」を必ず所有し、満2年を過ぎたのち、第三者への転売を許されるものとした。
同局は、5月22日にすでに個人向けの販売制限政策を打ち出しており、購入者が3軒以上の数の物件(新築・中古含む)を購入する場合は、同様に「不動産権利証書」の所有、2年以内の転売を制限すると定めている。同局の5月のこの通知は発表された日より施行され、有効期限は5年。
【西安:物件の金額の変更・調整時には調整前に必ず申告】
西安物価局は9月22日、販売物件の予約販売許可証の申請期間中、あるいはすでに同許可証を取得していても物件売却前に金額の変更や調整が行われる際には、必ず西安物価局に調整後の物件の金額を申告しなくてはならない、と発表した。対象は市中心の6区と開発区(Kaifaqu)、高新区(Gaoxinqu)などの郊外地区となるが、低価格住宅や限定住宅物件は対象外。また、同局の公式ウェブサイトでは物件の価格を開示している。
【長沙:新規物件購入後の転売は満3年以降】
長沙市住建委員会は9月23日、同市で購入した物件(新築・中古含む)は「不動産権属証書」を所有し、満3年を過ぎた後に転売などの取引ができるようになると発表した。通知の実施後、同市内に戸籍がある住民で、かつ同市にマイホームを所有してない住民は、1物件に限定して購入できる。
また、長沙市に戸籍があり、すでに同市で物件を持っている世帯は、「不動産権属証書」を所有し、満3年を過ぎれば2軒目を購入することができる。同市に戸籍がなく物件を所有していない者でも、2年間所得税を支払っており、社会保険証明を持つ者に限り、1物件限定で購入が可能となる。
【貴陽:新規に購入した物件は3年以内の転売は不可】
貴陽市人民政府弁公庁は9月22日、「不動産市場の健全・安定した発展の促進に関する措置(試行)」文書を発表し、貴陽の不動産市場に対する今後の措置を明らかにした。物件の販売管理強化、住宅用地の供給統合計画管理強化、住宅共積金政策管理強化など6つの分野で規定を出した。
貴陽市では2回目の住宅共積金ローンの頭金を20%から30%へ調整し、サラリーマン世帯で2回以上の住宅ローンの履歴があり、3物件以上の住宅ローンが認められた場合、住宅共積金ローンの手続は停止する。
これらの規定は9月23日午前0時より実施され、同市で購入されるすべての新物件は3年以内に転売することができない。また、同政府は中古物件市場の管理にも力を入れ、住宅リース市場などへの発展と育成も加速させている。
【石家荘:新規で購入した物件、5年以内は市場取引できない】
石家荘人民政府は9月23日、「不動産市場の抑制を強化するための補足意見」を発表した。同日より、新規購入した物件(新築・中古含む)は、5年以内の市場取引ができない。
「意見」では、石家荘市に戸籍がない市民は初めて住宅を購入申請を行う時から、継続で24か月以上の個人所得納税証明を提出、あるいは社会保険納税証明を必ず提供しなければならない。それにより、1物件に限定して購入することができる(新築・中古含む)。この市区範囲内ですでに1物件、およびそれ以上の住宅を持つ市の戸籍がない市民の家庭は、しばらくの間は同市で住宅を購入することができないが、購入できるタイミングは売買契約にサインした時間を基準とする。(c)CNS/JCM/AFPBB News