【10月17日 AFP】店舗を経営しているチェン・ヤン(Chen Yan)さん(35)は中年になるのを恐れている。そこで友人たちと同様、この問題の解決策として美容整形にたどり着いた──今こそ新しい鼻を手に入れる時だ。

 中国では今、所得の増加や欧米の影響の拡大、ソーシャルメディアで美しさがもてはやされる風潮などから美容整形がブームとなっている。就職に有利なようにと10代の子どもに手術を受けさせる親までいる。

 チェンさんは言う。「中国では、結婚して子どもを生んだ30過ぎの女性は中年と見なされるんです」

 チェンさんは「完璧な鼻」を求めて中部湖南(Hunan)省から上海(Shanghai)の上海華美医療美容医院(Shanghai Huamei Medical Cosmetology Hospital)に出向き、5万2515元(約89万円)を支払った。

 同院は豊胸、耳形成、骨削り、陰毛の植毛、わきが手術など数々の美容整形手術を行っている。

 同院に足を踏み入れると、まるで五つ星ホテルのようにストライプのブラウスに黒いミニスカート、ハイヒールといういで立ちの女性たちにお辞儀をして出迎えられた。清潔なロビーには心地よい音楽が流れている。建物の外には、教員と学生を対象とした夏の20%割引きキャンペーンを宣伝する看板が掲げられていた。

 同院の美容外科医の李健(Li Jian)氏によると、患者の90%は16歳から70歳の女性だという。

 もっときれいになりたいという願いは、40代を境に、もっと若く見えるようになりたいという願いに変わる。最も人気があるのは小顔整形や痩身(そうしん)手術、そして鼻の整形だ。中国人女性は一般的に鼻筋がすっと通った「欧米人風」の鼻にしたがる。

 さまざまなデータを集めた人気の美容整形アプリ「SoYoung」によると、今年は前年比42%増となる1400万人の中国人が美容整形を受けると見込まれている。