【10月1日 AFP】スペイン・カタルーニャ(Catalonia)自治州独立の是非を問う住民投票を翌日に控えた9月30日、同州の州都バルセロナ(Barcelona)や首都マドリード(Madrid)などスペイン各地で国家の結束を求めるデモが行われた。スペイン中央政府はこの住民投票の実施を禁止する命令を出している。

 住民投票を違法とする裁判所の判断も出ているが、自治州政府は投票を強行する構え。バルセロナでは雨の中、自治州政府本部前にある広場に数千人が集まり「カタルーニャはスペインだ!」「私たちもカタルーニャ人だ!」とシュプレヒコールを上げた。

 デモ参加者の一人マリア・ホセ・モレノ(Maria Jose Moreno)さん(54)は、「私はこの(スペインの)分裂、反民主主義、このような押し付けや違法行為にうんざりしている」と語った。

 独立住民投票はカタルーニャ人の間に深い亀裂を生んだほか、独裁者フランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統の死去で民主主義が回復した1975年以降で最大の危機を迎えているスペインの全土で激しい論争を巻き起こしている。

 スペイン中央政府は住民投票実施の阻止を明言し、投票所の閉鎖や投票用紙の押収、住民投票実施の中心人物の拘束、投票実施を促すウェブサイトの閉鎖などを行った。

 しかしカルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)同自治州首相は、AFPのインタビューで「すべての準備ができている」と述べ、経済的に豊かで人口約750万人を擁する同地域の住民投票は計画通り実施できると述べた。

 マドリード・カルロス3世大学(Carlos III University of Madrid)政治学講師で世論調査の専門家のルイス・オリオルス(Lluis Orriols)氏によると、最新の調査ではスペイン人全体の約75%が住民投票に反対している。

 しかし同自治州の住民の間では独立について意見が分かれているものの、大多数が合法的かつ法的拘束力のある住民投票の実施を支持しているという。(c)AFP/Anna Cuenca with Alvaro Villalobos in Madrid