NBAが国歌演奏時の起立を全チームに要請、米報道
このニュースをシェア
【9月30日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は29日、全30チームに対し、国歌演奏時には選手の起立を徹底させ、例外は認めないとする文書を送った。スポーツ専門チャンネルESPNによると、NBA副コミッショナーのマーク・テイタム(Mark Tatum)氏は、すでにリーグ規則には国歌演奏の際に起立を義務づけることが明記されており、NBAには違反した選手を処罰する決定権があると通達したと伝えられている。
この文書では「国歌演奏時に起立していない選手、コーチ、そしてトレーナーに対する措置については、リーグ側が決める」とされており、個々のチームには規則を「放棄する権限はない」とつけ加えられている。
テイタム氏は各チームに対し、ホーム開幕戦の試合開始前に選手とコーチ陣がファンに意思を示し、現在の政治情勢への姿勢を明確にする努力をするよう要請。文書には「これは連帯へのメッセージに加え、今季はチームがどのように地域の結束をもたらすか約束するものである」と書かれていたとされている。
この文書が回覧される前日には、アダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーが米ニューヨーク(New York)で開かれた理事会において、国歌演奏時に選手が起立することを促し、「リーグ規則では起立して国歌演奏に臨むことが求められている。私がリーグにいる限り、それがルールだ。私は選手に対して、これからも国歌演奏の際には起立することを期待している」と述べていた。
米スポーツ界では昨季、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)に所属していた元QBコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が、アフリカ系米国人に対する警察の残虐行為に注目を集めるため、国歌演奏中に膝をつくという抗議行動を開始した。
これまで国歌演奏中に膝をついていたのは一部の選手に限られていたが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が選手に対して過激発言を行った2日後の今月24日には、1人を除いてチーム全員がロッカールームで国歌演奏に耳を傾けたピッツバーグ・スティーラーズ(Pittsburgh Steelers)を含め、200人近くの選手が自らの意思を示した。(c)AFP