米大使館員、「音響攻撃」で半数退避 キューバ、関係悪化を警告
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【9月30日 AFP】キューバに駐在する米国の外交官らが音響兵器による攻撃を受けたとされる問題で、米政府は29日、在キューバ米大使館の職員半数以上を退避させると発表した。キューバ政府はこの措置を「性急」だと非難し、両国間の関係に影響を及ぼすと警告した。
長年にわたり国交断絶状態にあった両国は2015年に国交を完全復活させていたが、今年1月のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領就任後は関係が悪化の一途をたどっている。
大使館員の退避を発表したレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官は、米国は今後もキューバとの関係を保持していくと表明。声明で「キューバはこれらの攻撃について調査を続行すると述べており、われわれは今後もその努力に協力していく」と述べた。
一方、キューバ外務省のホセフィナ・ビダル(Josefina Vidal)北米局長は国営テレビが伝えた声明で「われわれは、米国がきょう国務省を通じ発表した決定は性急であると考えており、これは両国間の関係に影響を及ぼすだろう」と述べた。
ティラーソン長官によると、過去数か月間に行われた謎の攻撃では、首都ハバナ(Havana)の米大使館員少なくとも21人が標的になり、耳の不調や、聴力障害、めまい、頭痛、疲労、認知機能の問題、睡眠障害などを訴えている。
米当局者らは先にメディアに対し、耳では聞き取れない何らかの音響兵器がハバナ市内の米大使館員宅の内外で使用されたとの見解を示していた。(c)AFP