【9月29日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏が、5年後の2022年までに貨物宇宙船を火星に到達させるという野心的な計画を29日、明らかにした。さらに2024年までに有人ロケットを使って地球の主要都市を結ぶ計画も目指すとしている。

 オーストラリアのアデレード(Adelaide)で開かれた専門家の国際会議で、満場の聴衆を前に同氏は計画を披露。今後6~9か月以内に最初の宇宙船の建造に取り掛かると述べ「この宇宙船を完成し、5年以内に打ち上げることについて極めて自信がある」と語った。

 スペースXが打ち出した惑星間輸送システムのコードネームはBFR(Big Fucking Rocketの頭文字)となっている。マスク氏は22年に少なくとも2隻の貨物宇宙船を火星に着陸させたいと述べ、主な使命として、現在ロケット燃料源として検討されている水について最適な供給源を見つけることを挙げた。さらに将来のミッションのために火星に動力源や採掘設備、生命維持用のインフラなどを整備し、24年には有人宇宙船4隻を着陸させたいとしている。

 また同計画のロケットは、地球上でも応用可能で、主要都市間の移動時間もおおむね30分以内にまで削減できるとマスク氏は説明した。同氏の試算によれば、タイの首都バンコク(Bangkok)からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)は27分、東京からインドのデリー(Delhi)は30分で移動できるようになるという。(c)AFP/Glenda KWEK