【9月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)らが28日、国歌演奏の際に人種的不平等に対する抗議を続ける米国のスポーツ選手に対し、支持する姿勢を示した。

 世界王者に3度輝いた実績を誇るハミルトンは、これまでもソーシャルメディアを通じ、国歌演奏時に「膝つき」をする米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)などのスポーツ選手に賛同する声を上げてきた。

 来月1日に第15戦マレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2017)を控えるハミルトンは、セパン・インターナショナル・サーキット(Sepang International Circuit)に詰めかけた記者に対し「彼らと共感できると強く思う」と語った。

 現在総合首位に立つハミルトンはまた、「誰にでも言論の自由があると思う」とした上で、「すべての人により良い世界をつくる役割があるのかなとも思う。特にリーダーが手を貸さない場合は、人々が団結していかなくてはならない」と付け加えた。

 また、フォースインディア(Force India)のセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)も同日「スポーツマンになるということは、多くの発信力を持つということだ」などと話し、こちらも抗議する選手を支持する立場を表明した。

「米国だけでなく、どこの国でも、今世界で何が起こっているのか気にかけることが重要だ。自分の仕事だけに集中するのではなくてね。(世界で起きていることに)注意する義務があるんだ」

 これまでも、人種差別への関心を高めるために目立った行動をとるNFL選手と対立してきたトランプ大統領は先日、国歌演奏時の起立を拒否する選手は解雇するよう各球団オーナーに求めたことで騒動は過熱。

 先週末に行われたNFLの試合では、150人を超える選手が膝つきや腕組みをしながら試合前の国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」を聞くなど、トランプ大統領の発言によって抗議運動は激化している。(c)AFP