サトノダイヤモンド、悲願の凱旋門賞制覇へ 落ちた現地評価を覆せるか
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【9月29日 AFP】日本馬の悲願である凱旋門賞(96th Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400メートル)初制覇に向けて、2017年はサトノダイヤモンド(Satono Diamond)が10月1日のレースに出走する。
フランスのクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)騎手が乗るサトノダイヤモンドには、いくつか好材料がある。昨年はマカヒキ(Makahiki)にわずかに及ばず日本ダービー(Japanese Derby)優勝は逃したが、その後の菊花賞(Japanese St. Leger)を制すと、クリスマスの有馬記念(Arima Kinen)もルメール騎手騎乗で優勝を飾った。
伝統のロンシャン競馬場(Longchamp Racecourse)が改修中のため、今年も凱旋門賞はシャンティイ競馬場(Hippodrome de Chantilly)で開催されるが、今回のサトノダイヤモンドは、数か月前からフランス入りしてシャンティイ(Chantilly)を臨時拠点に調整を進めている。
ところが、前哨戦の一つであるG2フォワ賞(2017 Prix Foy、芝2400メートル)では6頭中4着。凱旋門賞制覇の有力候補との評価を高めるには程遠い結果に終わり、まさかのさえない走りを受けて、本命エネイブル(Enable)に対して3番人気の6倍だったオッズも16倍にまで後退した。
かつてオルフェーヴル(Orfevre)を育てた池江泰寿(Yasutoshi Ikee)調教師は、フォワ賞では二つの要素に脚を取られたと「レーシング・ポスト(The Racing Post)」紙で話している。
「サトノダイヤモンドが負けた一番の理由について、重い馬場と馬の状態のどちらが原因かということで言えば、同じだけ影響があったと思う。欧州の条件で、他の馬との距離が近いレースを経験できたのは良かった」
ルメール騎手は「サトノダイヤモンドは、レース中に3回か4回、大きく息が上がる場面があった。つまり、こういう緩い馬場でのレース体力が足りなかったということだ。最後の直線では少し邪魔もされたし、G1優勝馬が複数出ているレースで、あの順位は仕方ない」と話した。
それでもフォワ賞の前、池江調教師はサトノダイヤモンドの長所を次のように話していた。
「サトノダイヤモンドは非常に賢い馬で、レース中に臨機応変に対応できる。ペースが上がらなければ前に出て走ることもできるし、前が速ければ我慢のレースをして直線で伸ばすこともできる。レース中のペースチェンジに対応できるし、いろいろなレースへの対応力という意味では(オルフェーヴルよりも)凱旋門賞にかなり向いている。それがこの馬を連れてきた一番の理由だ」
このように、サトノダイヤモンドにはいくつも長所がある。しかし、今年の出走馬の質の高さと、前哨戦での残念な走りを考えると、日本勢は今年も悲願成就には手が届かないかもしれない。(c)AFP