【9月27日 AFP】米国では2016年、クラミジア、淋病、梅毒の感染報告が過去最多の200万件以上に上った。米疾病対策センター(CDC)が発表した性感染症に関する年次報告書「Sexually Transmitted Disease Surveillance Report」で26日、明らかになった。

 2016年に新たに報告された感染の多くはクラミジアで約160万件だった。クラミジアは男女ともに感染する。淋病も男女ともに感染件数が増えたが、男性では22%増とより顕著な傾向がみられた。淋病の感染報告数は47万件に達し、男性間性交渉者での感染が大きな割合を占めていた。

 こうした傾向についてCDCは、淋病が最後の推奨治療への耐性を強め脅威を増しており「特に懸念される」と指摘している。

 他方で梅毒の症例は同2万8000件が報告された。前年比で約18%増。梅毒の大半は男性に多く見られたが、女性も同36%増えていた。

 先天性梅毒として知られる新生児における梅毒の症例は同年600件以上に上り、前年比28%増となった。報告書では「新生児の40件以上の死亡と重度の合併症」につながったとされた。

 専門家らによると、薬剤への耐性獲得の懸念はあるが、これら3つの性感染症は抗生物質で治療することができるとされている。しかし、治療せず放置すると、不妊症や生命にかかわる子宮外妊娠、死産、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染リスクの増大につながる恐れがある。(c)AFP