中国のパンダ、個体数回復も生息地は縮小 局所的絶滅の恐れも 研究
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【9月26日 AFP】中国で厳重な保護下にあるジャイアントパンダの2013年時点での生息地が、絶滅危惧種に指定された20年以上前と比べて縮小しているとする研究論文が25日に発表された。
米科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology and Evolution)」に発表された論文によると、ジャイアントパンダの生息域はより細分化され、地震や道路建設、観光業、地球温暖化の脅威にさらされている地域も多いという。
国際自然保護連合(IUCN)は昨年、ジャイアントパンダの「レッドリスト(Red List)」上の分類を「絶滅危惧IB類(絶滅危惧種)」からより切迫度の低い「絶滅危惧Ⅱ類(危急種)」に引き下げた。
論文の共同執筆者で米ノースカロライナ(North Carolina)州ダーラム(Durham)にあるデューク大学(Duke University)所属のスチュアート・ピム(Stuart Pimm)氏はAFPの取材に対し、「パンダについての良いニュースはたくさんある。個体数は増加し、より多くの生息地が保護され、森林伐採にも歯止めがかけられている」と電子メールで回答。
しかしその一方で、「生息地は以前と比べてさらに細分化されており、そうした場所でパンダが存続していけるだけの個体数を維持することは不可能かもしれない」と指摘した。
研究チームは、1976年から2013年までのジャイアントパンダの生息地について、40年にわたって収集した衛星データを使用して調査を行った。その結果、パンダに適した生息環境は2001年までに5%近く減少したが、その後2013年までに0.4%回復したことが判明した。しかし、IUCNによって希少種(現行のレッドリストでは絶滅危惧種に相当)に分類されていた1988年当時に比べると、2013年の生息地は1.7%減少していたという。
道路建設が生息地の減少や分断に拍車をかけている一方で、パンダの生息域全体では観光客の数も増加。また温暖化によって、パンダの主な餌となる竹の生育分布に影響が出る恐れもあると研究チームは指摘している。
「パンダは生息域が位置する6つの山岳地域で、30の集団に分かれて生息」しているが、このうち18の集団に属する個体数はそれぞれ10頭以下となっており、「局所的な絶滅に直面するリスクが高い」と研究チームは警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux