【9月25日 AFP】オーストラリア東海岸の人気ビーチで先週、巨大なザトウクジラが漁業用の綱に絡まった状態で打ち上げられて死んだため地元当局が砂浜に埋めた。ところが、腐敗した死骸がサメを呼び寄せていると住民から苦情が出たことから、州政府が介入して25日、重機で死骸を掘り起こす作業が行われた。

 重さ18トン、全長12メートルのザトウクジラが打ち上げられたのは、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州ポートマッコリー(Port Macquarie)のノビーズビーチ(Nobbys Beach)。地元当局は当初、クジラを海に戻そうと試みたが、岩に阻まれ断念した。

 ビーチに続く道は歩行者用のみで車両が通れる道路がないため、地元当局はウインチ(巻き上げ装置)を使って小型ショベルカーを砂浜に下ろし、クジラの死骸を砂に埋めた。

 だが、死骸から溶け出した油や腐敗した脂肪が海に流れ込んでいると、近隣住民がすぐさま猛反発。シドニー(Sydney)の北方400キロに位置するポートマッコリー周辺のビーチは学校が休みに入ると大勢の人でにぎわうのが通例だが、間もなく学期休みが始まるにもかかわらず、海岸近くでサメが多数目撃されていると訴えた。

 懸念の声の高まりを受け、ニューサウスウェールズ州政府が介入してクジラの死骸処理にかかる費用を負担。25日、崖の上に大きなクレーンを設置してショベルカーを砂浜に下ろし、クジラの死骸の掘り起こし作業に着手した。地元当局者によると、掘り起こされた死骸はショベルカーの爪を使って解体し、埋め立て地に移送するという。(c)AFP