【9月24日 AFP】バングラデシュ当局は23日、隣国ミャンマーからのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)流入はほぼ停止したと発表した。約1か月前にミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で起きた軍とロヒンギャ武装集団との武力衝突を機に国境を越えてバングラデシュに流入したロヒンギャは約43万人に上る。

 ロヒンギャの流入が激減した理由について、バングラデシュ当局は明らかにしていないが、バングラデシュに逃れたロヒンギャの住民指導者らによれば、ラカイン州ではロヒンギャが住んでいた国境近く村々のほとんどが今では無人だという。

 コックスバザール(Cox's Bazar)近くの難民キャンプでAFPの取材に応じたロヒンギャ指導者の1人は「ほとんど全ての知り合いがバングラデシュに逃れてきた」と述べ、「現在もラカイン州に残っているのは国境から遠い地域に住むロヒンギャだけだろう」と付け加えた。

 バングラデシュの国境警備隊員らも、今ではミャンマーから船や陸路で国境を越えてくるロヒンギャ難民をほとんど見かけないと語った。

 これまでの2週間、多い日には1日に2万人ものロヒンギャがバングラデシュに流入していた。

 国連(UN)も「ロヒンギャの流入は減少している」と認めた。これまで毎日行っていたバングラデシュに流入するロヒンギャ難民数の発表も今後は週1回とするという。

 国連によると、8月25日にラカイン州でロヒンギャの武装集団が複数の治安部隊施設を襲撃し、これへの反撃としてミャンマー軍が弾圧を開始してから、これまでに42万9000人のロヒンギャが隣国のバングラデシュに避難した。

 多くのロヒンギャは、ミャンマーとバングラデシュとの一部国境を流れるナフ(Naf)川を船でバングラデシュ側に渡る際に、所持金や宝飾品類のほぼ全てを船賃として船頭に渡している。(c)AFP/Sam Jahan in Cox's Bazar and Shafiqul Alam in Dhaka