【9月23日 AFP】ハリケーン「マリア(Maria)」の直撃を受けたカリブ海(Caribbean Sea)の米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)で22日、増水でダムが決壊する可能性があるとして、約7万人の住民に避難命令が出された。

 マリアによるカリブ海諸島での死者は33人に達しており、プエルトリコの中心都市サンフアン(San Juan)の国立気象局は、グアハタカ川(Guajataca River)沿いに暮らす住民に対して、1920年代に土で造られたダム(土えん堤)が決壊する危険があるとして、鉄砲水警報を発した。

 プエルトリコの地元紙エル・ボセロ(El Vocero)によると、治安当局者は、ダムの排水量を管理している放水路が損壊したと述べている。

 天気予報専門チャンネルのウェブサイトの映像では、傾斜になっている水路を水が勢いよく流れ、草が生い茂った土手の土が大きくえぐられて流されている。

 しかし気象局によると、川の水位が下がってきていることから、鉄砲水警報はグリニッジ標準時(GMT)23日午前6時(日本時間同日午後3時)には解除される見通しだ。

 今月20日にマリアが上陸し、大きな被害が出ているプエルトリコでは既に洪水被害への対応が進められており、立ち往生している住民らを救出するため救助隊は時間との闘いを続けている。(c)AFP/Hector RETAMAL and Edgardo RODRIGUEZ