米警官、命令に従えなかった聴覚障害者を撃って殺害 住民の警告無視
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【9月22日 AFP】米南部オクラホマ(Oklahoma)州で、警察官が聴覚障害のために命令に従えなかった男性を銃で撃って殺害した。近隣住民は現場で警察官らに男性の障害について警告していたといい、地元警察への批判が高まっている。
警察官らは19日夜、オクラホマシティ(Oklahoma City)にあるマグディエル・サンチェス(Magdiel Sanchez)さん(35)の自宅を訪れた。ひき逃げ事件に関わったサンチェスさんの父親の捜索が目的だった。
サンチェスさんは自宅前で警察官らと対面したとき、右手に革製の輪が付いた長さ60センチほどの金属パイプを持っていた。警察によると、警察官らはそのパイプを武器として作られたものと考えたという。
警察官らはパイプを捨てるように命じたが、聞くことも話すこともできないサンチェスさんは応じなかった。そこでマシュー・リンゼイ(Matthew Lindsey)警部補はテーザー銃でサンチェスさんを撃ち、クリストファー・バーンズ(Christopher Barnes)巡査部長は銃で撃った。
近隣住民たちは「彼は耳が聞こえないんだ」と大きな声で割って入ったが、警察官らはその警告を聞き入れなかったという。住民のフリオ・ラジョス(Julio Rayos)さんは報道陣に「警察官が動きを止めたとき、私たちはみんなで撃たないでと警察官たちに大声で叫んだんだ」と語っている。
オクラホマ州の聴覚障害者団体は、今回の件で警察官が殺傷力のある武器を使用したことに疑問を投げかけている。米国自由人権協会(ACLU)も21日、警察の対応を厳しく批判した。
警察は目撃者らの聴き取りを行っている。(c)AFP