【9月19日 AFP】米CNNは18日、米捜査当局が2016年の米大統領選前後に、秘密裁判所の命令の下でドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営の選対本部長だったポール・マナフォート(Paul Manafort)氏を盗聴していたと報じた。

 盗聴は少なくともマナフォート氏がトランプ氏への進言を続けていた今年初めまで行われていたという。トランプ氏も盗聴の対象となっていたかは不明。

 政治コンサルタントのマナフォート氏は2016年6月から8月までトランプ陣営の選対本部長を務めていた。それ以前にはウクライナ前政権与党に協力していたこともある。

 CNNは3つの情報筋の話として、マナフォート氏に対する盗聴を通じて、同氏が大統領選でトランプ氏を支援するようロシア政府に持ちかけていたとする見方が捜査当局の間に広がったと伝えた。だがこのうち2つの情報源は、証拠は決定的なものではないと話しているという。

 CNNによると、マナフォート氏が初めて連邦捜査局(FBI)の捜査対象となったのは2014年で、首都ワシントン(Washington D.C.)の複数のコンサルティング会社とウクライナ前政権与党との癒着疑惑に関するものだった。

 捜査当局は証拠不十分で2016年にいったんマナフォート氏に対する捜査を中止したが、新たな令状を得て捜査が再開された。新しい令状は、トランプ陣営のメンバーがロシア情報当局と接触していた疑惑をめぐるFBIの捜査に関連したもので、少なくとも今年初めまで延長されていたという。

 トランプ氏は以前、大統領選中にトランプ・タワー(Trump Tower)の電話回線を盗聴していたとしてバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領を非難していたが、司法省が今月初め、トランプ氏の主張を裏付ける証拠はなかったと発表している。(c)AFP