AFP記者が見た日本、おもてなしと利便性の「コンビニエンスランド」
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【10月1日 AFP】トイレに行けば温水洗浄便座、列車の旅なら外の景色が見やすいように向きを変えられる座席、道を歩けばどこの街角にもあるコンビニエンスストア──。日本へようこそ。おもてなしの心とカスタマーサービスがDNAの一部となっているこの国へ。
2020年東京五輪の観覧を計画している人は、めまいがしてくるほどの多様なサービスを期待していい。この国では、斬新でユニークなグッズや日常生活での利便性が、日々のストレスを和らげてくれる。
日経BPコンサルティング(Nikkei BP Consulting)マーケティング戦略研究所の渡辺和博(Kazuhiro Watanabe)上席研究員は、日本のこのような環境の根底にあるものは、他者への配慮だと話す。
顧客の要望を先回りして考える文化が根付いており、「おもてなし」という言葉も存在する。
信じられないだろうか? では東京の典型的な日常を紹介しよう。断っておくが、これはほんの一例だ。
朝、目覚まし時計が鳴り、寝ぼけ眼でトイレに行っても心配は無用。便座が温まっているので、肌寒い日も冷たい便座に恐れをなすことはない。
外国のセレブや多くの観光客にも愛用されている日本の多機能トイレには、驚きの特長が満載で、洗浄シャワーから消臭機能、排せつ音を聞こえにくくする音響装置まで付いている。
子どもと2人きりで外出している際に催してしまっても問題ない。多くのトイレ(もちろん完璧に清掃が行き届いている)の個室内には幼児用シートが用意されているので、そこに子どもを座らせておけば気兼ねなく用が足せる。
仕事に遅れそうで腹ごしらえをする時間がない場合は、街のあちこちにあるコンビニエンスストアで食べ物を調達すればいい。電気料金の支払いを済ませたり、新しい靴下や下着を買ったりすることもできるので実に便利だ。
現金自動預払機(ATM)は24時間利用可能。しかも便利な傘立てや飲み物のホルダーまで用意されているところもある。
カフェインが必要なら、自動販売機で缶コーヒーを買えばいい。ホットもアイスもある。遠くのコーヒーショップまで行く必要はない、日本には自動販売機が200万台以上もあるのだから。