【9月17日 AFP】バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)で15日、隣国ミャンマーがイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を「大量虐殺」しているとして、イスラム団体のメンバーや支持者らが金曜礼拝の後に大規模な抗議集会を行い、バングラデシュ政府にミャンマーへの軍事行動を呼び掛けた。

 警察によると、集会はダッカ中心部にある国内最大のモスク前で行われ、強硬派「ヒファジャット・イスラム(Hefazat-e-Islam)」など5つのイスラム団体のメンバーや支持者ら少なくとも1万5000人が集まった。また警察はAFPに対し、集会の参加者たちは、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州での同国治安部隊によるロヒンギャ迫害に抗議するとともに、ロヒンギャの保護に向けた国際社会の対応などを非難していたと語った。

 集会で演説した、ヒファジャットのダッカ支部のトップであるイスラム神学校の教員は参加者らに対し、「ミャンマー政府は大量虐殺を実行しており、ラカイン州では家屋が焼き打ちされている。われわれはバングラデュ国民に、ロヒンギャの人々のために立ち上がるよう求める」と語った。またベンガル語の代表的なニュースポータルサイト「バングラ・トリビューン(Bangla Tribune)」によると、この教員は、「バングラデシュ政府には、軍事行動による問題解決を求める。今こそしかるべき時期だ」と訴えかけたという。

 ヒファジャットの広報担当者はAFPに対し、「外交的な解決策が見つからない場合、ロヒンギャがラカインで暮らせる形になるよう、(バングラデシュ)政府に軍事力を行使するよう求めている」と説明した。

 イスラム教徒が国民の大多数を占めるバングラデシュでは、同様の抗議行動が国内各地で行われている。(c)AFP