【9月14日 AFP】ミャンマーでの暴力から一人で逃れたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の少年が、他の村から避難してきた見知らぬ大人たちと行動を共にしながら川やジャングルを抜けてバングラデシュに越境したものの、家族とは再会できず、行き先を探して途方に暮れている。

 アブドゥル・アジズ君(仮名、10歳)は、家族とはぐれて独りでいるところを別の集団の女性たちから親はどこにいるのかと声を掛けられた。分からないと答えると、女性の一人が面倒を見てあげるから一緒に行こうと言ってくれたため、ついて行ったのだという。

 また、バングラデシュの難民キャンプに収容されたムハンマド・ラミズ君(仮名、12歳)は、村から逃げた後に独りぼっちになり、見知らぬ大人たちの集団について旅を続けた。ロヒンギャへの暴力が多発していたため、他の人々と一緒に川を渡り、木の葉や水で命をつないだという。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が発表した最新の統計によると、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州での暴力から逃れてバングラデシュに親の同伴なしでたどり着いたロヒンギャの子どもは、8月25日以降、1100人を超える。

 こうした一人きりの子どもは、性的虐待や人身売買に巻き込まれたり、心的外傷を受けたりする恐れがあるとユニセフは指摘している。

 多くの子どもたちは、ラカイン州の村々で家族が残虐に殺害されるのを目の当たりにしており、国連(UN)の人権高等弁務官はミャンマー軍や暴徒化した仏教徒らによるこうした犯罪行為は「民族浄化」だと非難している。

 国連の推計によると、先月25日以降バングラデシュに避難したロヒンギャ37万人のうち半数以上は未成年。今月、5か所の難民キャンプに到着した難民12万8000人を対象に調査を行ったところ、子どもの割合は60%で、1歳未満は1万2000人に上っている。(c)AFP/Nick Perry/Sam JAHAN