ストーンヘンジ近くにトンネル建設へ、計画承認 反対派の抗議実らず
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【9月13日 AFP】英政府は12日、同国にある石器時代の遺跡「ストーンヘンジ(Stonehenge)」近くに幹線道路トンネルを新たに建設する計画を最終承認した。考古学者らやドルイド教の関係者らが抗議活動を長年続けてきたが、計画を阻止することはできなかった。
英国の東西を結ぶ主要幹線道路で頻繁に発生する交通渋滞の緩和を目的として計画された全長2.9キロにわたるこのトンネルには、16億ポンド(約2340億円)の予算が割り当てられている。
当局は計画反対の声を受け、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage Site)に登録されているストーンヘンジ遺跡から、トンネルの予定ルートを遠ざけた。
だが、NGO団体「ストーンヘンジ連盟(Stonehenge Alliance)」は、トンネルの建設が「考古学的地形に対する深刻で永続的なダメージ」につながると指摘している。
同連盟のケイト・フィールデン(Kate Fielden)氏は「トンネル計画には細かな微調整などではなく、全面的な見直しが必要だ。この象徴的な地形に重大な被害が生じる恐れはまだある」と述べた。
新たなトンネル設置について、クリス・グレイリング(Chris Grayling)運輸相は「地域に大きな追い風」となるとしており、「移動時間の短縮、渋滞の緩和、空気の清浄化などは、地域の人々に恩恵をもたらし、観光産業に成長の道を開くに違いない」とコメントしている。
ストーンヘンジは紀元前3000~2300年頃に段階的に建てられた。
その大きさや精巧な設計、構造上の正確さなどから、世界で最も印象的な巨石遺跡の一つに数えられている。
この地域では、同様の先史時代遺跡が考古学者らによって発見されている。その中には地下に埋没した直径500メートルのストーンサークルも含まれている。(c)AFP