【9月13日 AFP】ミャンマーで、軍の弾圧を受けるイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が大量に難民化している問題で、中国は12日、ミャンマー政府への支持を表明した。米国が批判し、「民族浄化」だとの見方も上がっている同問題をめぐる国際社会の亀裂が表面化した形だ。国連(UN)によると、暴力を逃れて国外に避難したロヒンギャは37万人に上っている。

 中国の介入は、13日に開かれるロヒンギャ問題をめぐる国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合で、ミャンマーに対するいかなる非難をも阻止する姿勢を示すことが狙いとみられる。

 中国はミャンマーの前軍事政権を支持した数少ない国の一つで、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏率いる文民政権の誕生以降は、東南アジア地域での大規模な貿易・エネルギー・インフラ戦略の一環として同国との関係を強化してきた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のジョゼフ・トリプラ(Joseph Tripura)報道官がAFPに語ったところによると、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州でロヒンギャの武装勢力と軍の衝突が始まった8月25日以降にバングラデシュに流入したロヒンギャは推定37万人に上る。

 トリプラ氏は、新たに到着した人々は現在も移動を続けていることから人数の把握が難しく、実際の人数はさらに多い可能性があると述べている。難民の6割は子供だという。

 ラカイン州から避難したロヒンギャ難民たちは、兵士や仏教徒の暴徒らによって自分たちの村が焼き払われたと証言している。だが同州への立ち入りは厳しく制限されており、これらの証言の真偽を検証することはできない。

 ミャンマー政府は違反行為を否定し、武装勢力によってロヒンギャのものを含む数千の村々が焼き払われたと主張している。だが今週、ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官がロヒンギャに対する暴力行為は「民族浄化の典型例」とみられるとの見解を示し、ミャンマーに対する国際社会からの圧力がいっそう強まっていた。(c)AFP/Sam JAHAN