【9月12日 AFP】今週開かれる国際オリンピック委員会(IOC)の総会で、2024年夏季五輪の開催を仏パリ(Paris)に譲る形となっても、米ロサンゼルス(Los Angeles)市の招致責任者は2028年大会を開催することは同市にとって勝利であると主張している。

 開催費用の問題で立候補地が減少していく一方である状況を受け、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が残った2つの大都市に開催権をもたらすことを強く訴えるなか、同委員会は今年7月の理事会で史上初となる2大会の開催地同時決定を行う方針を打ち出していた。

 13日に行われる総会では、2024年大会のパリ開催と2028年大会のロサンゼルス開催が正式承認されることになっている。しかし、パリの組織委会が勝利を祝う準備をするなか、ロサンゼルスは五輪開催まで11年も待つ必要があるとはいえ、その歓喜はライバル都市に勝るとも劣らないと強調した。

 徹底的な討論が行われた結果、IOCからパリより1億ドル(約109億円)も多い財政支援を受け取ることになったロサンゼルスのエリック・ガルセッティ(Eric Garcetti)市長は、「これらの条件がきょう提示され、現在の条件下で2024年大会と2028年大会を選ぶとして、2028年大会を選ばなかったとしたら、私は職務怠慢になるだろう」と述べた。

 ガルセッティ市長はまた、2028年までの長い準備期間が即座に市に利益をもたらすことができるとして、「2024年大会が終わるまで待たずに、来年からレガシーを築き始めることができる。貧しい市民や若者たちに身近にスポーツに接する機会を与えることは、私にとっては考えるまでもないことだ」と語った。

 ロサンゼルス招致委員会のケーシー・ワッサーマン(Casey Wasserman)委員長も、2028年大会まで待つことは「率直により多くの経済効果を生み出すことになる。その効果は絶大だ」と述べ、総会の投票結果が期待外れになることはないとして、「LAでは13日の夜から週末まで祝賀ムードになることは間違いない」と語った。

 ワッサーマン委員長は、2024年大会の招致を目指してパリと直接対決するよりも、2028年大会へのオファーを選択したことについて、ロサンゼルスの招致委員会は何の後悔も抱かないだろうと強調し、「ずっと準備を行ってきたのはたしかだ。しかし、2大会同時決定が判明したとき、あり得ない形で状況を切り抜けることが確実になった。それは、とても珍しいケースだった。われわれが生み出した経済効果は、五輪史上で前例を見ないものになる。それを活用できることを誇りに思う」と述べた。(c)AFP