【9月15日 CNS】国際会計事務所デロイト(Deloitte)と中国の株式投資コンサルティング企業の投中信息(China Venture Investment Consulting)が共同で発表した『中米ユニコーン企業研究報告』によると、米国と中国のユニコーン企業(評価額10億ドル以上の非上場企業)の数がそれぞれ世界1位と2位を占めており、世界の8割以上のユニコーン企業が両国で誕生していることがわかった。

 報告書によると、2017年6月末の時点で企業価値が10億ドル(約1100億円)以上ある非上場企業は世界で総計252社あるとされ、累計総額は8795億ドル(約95兆円)にまで達した。

 ユニコーン企業は、世界22か国にある。地域別に見ると、米国と中国に占める数が世界的に1、2位で、米国(42.1%)、中国(38.9%)の占有率だ。次いで3位のインドは4%程度である。

 このような現象が生じる原因は、以下の4つの要素と密接な関係にある。国のインターネットの市場規模、インフラの設備状況、産業構造の整備状況、インターネット業界の人材の数である。

 注目すべき点は、米国のユニコーン企業は、サービス分野では他国との距離を大きく引き離し先頭に立っているが、中国のユニコーン企業は娯楽文化の分野で独走しており、企業価値36億6200万ドル(約3940億円)は米国の企業価値8.2億ドル(約880億円)を大きく引き離している。

 中国のユニコーン企業は大きく16業界に分布しており、eコマース、金融、娯楽文化の3業界だけで全体の46%を占める。米国は20業界に分布しているが、サービス業界が抜きん出ており27%の占有率だ。

 投中信息の系列機関である投中研究院の国立波(Guo Libo)院長は、「中・米両国は世界のユニコーン企業成長の土壌になっており、8割以上のユニコーン企業が中国とアメリカで誕生している。中国のユニコーン企業は、数でも米国と同じようなレベルに達し始めただけでなく、世界の新経済の再建に中国の力量が不可欠なものになっている」と述べた。

 今後について、デロイトチャイナの周錦昌(Zhou Jingchang)氏は、「米国との状況を比較し、かつ中国の現状も考慮すると、将来的に中国のユニコーン企業は、サービス、医療・健康、車や交通、ユビキタスネットワークなどの新たな領域から生まれ、また資金の潤沢な大企業が中心となって動き出すだろう。中でも、「ニューリテール」分野が新たに注目される業界になるかもしれない。そして長らく注目され続けている人工知能(AI)の分野でも、必然的に各業界と関わりを持つようになり、大きな力になっていくだろう」と考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News