太平洋サンゴ礁、深刻な白化 沖縄周辺は最大70%が被害 報告
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【9月7日 AFP】太平洋(Pacific Ocean)のサンゴ礁の多くに深刻な白化現象が確認され、一部は死滅寸前の状態にあるとする調査報告書を6日、海洋研究チームが発表した。同研究チームは、地球温暖化によって貴重な生態系の存続が脅かされていると警鐘を鳴らしている。
フランスの調査用スクーナー船「タラ(Tara)」号は太平洋のサンゴ礁を5万キロにわたって徹底調査。同船の科学調査を率いるフランス国立科学研究センター(CNRS)のセルジュ・プラヌ(Serge Planes)氏は、報告書を発表した仏パリ(Paris)でAFPの取材に応じ、「タラ号の太平洋上のルート全域で、サンゴの死滅や非常に深刻な白化が確認された」と語った。
同船の研究者らによると、サモア諸島周辺の一部のサンゴ群体が最大90%白化していることが分かり、仏領ポリネシア(French Polynesia)のトゥアモトゥ(Tuamotu)諸島周辺ではサンゴ群体の最大半数に白化が見られた。また、ツバルやキリバスなどの島々周辺でも、研究チームが訪れたときにはすでにサンゴ礁の複数部分が死滅していた。北方の温帯海域のサンゴ礁にも白化は及び、沖縄周辺のサンゴの最大70%が被害を受けているという。
サンゴが地球の海洋環境に占める割合は1%に満たないが、サンゴ礁には海洋生物の推計25%が生息している。
研究チームが今回発表した報告書は、2000回に上る潜水によって収集した約1万5000のサンゴの標本の分析結果を基にしたもので、同報告書は白化の主要原因は地球温暖化と結論付けている。
プラヌ氏は、今回のデータによって、白化現象が以前よりもさらに高頻度で発生し、サンゴの回復に必要な期間がより短くなっていることが明らかになったと述べている。(c)AFP/Laurence COUSTAL