バングラ当局、避難先の島からロヒンギャ2000人超を強制退去に
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【9月4日 AFP】ミャンマーで発生した治安部隊と武装集団の衝突を逃れてバングラデシュへ流入したイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)2000人以上が、バングラデシュ当局によって避難先の島から強制的に退去させられていたことが分かった。同国の当局者が4日、明らかにした。
国連(United Nations)によると、ロヒンギャの武装集団とミャンマーの治安当局との間で衝突が発生した先月25日以降、同国北西部のラカイン(Rakhine)州からバングラデシュへ、主にロヒンギャ難民ら8万7000人が流入したという。
その大半は陸路もしくは川を渡って入国しているものの、事態が切迫するにつれ、一部がバングラデシュ沖およそ9キロに位置するセントマーチン島(St. Martin's Island)への渡航を試みている。
当局によると、同島で暮らす約9000人の島民は、ロヒンギャと文化的に密接な関係を持ち、言語も近いことから、ここ最近避難してきたロヒンギャ約2000人をかくまっていた。しかし、島民らは当局からロヒンギャを引き渡すよう命じられたという。
地元議会の議長の話によると、避難してきたロヒンギャを沿岸警備隊に引き渡すよう、モスクのスピーカーを使って呼びかけが行われた。同議長は「当局はわれわれにあらゆる手段でロヒンギャを見つけ、沿岸警備隊の拠点に連行するよう命じた」と語った。
また別の議員によると、子どもらを含む2011人のロヒンギャが3日夜、沿岸警備隊の施設に集められて連れ去られたという。
この議員はAFPに対し、「ロヒンギャの子どもたちは泣いていた。だがそれは政府の命令だ。われわれに何ができるというのだ」と話した。(c)AFP