【9月2日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)で通算5勝を誇るマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は1日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)での自身の待遇をキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)が批判したことについて言及し、「私は4回戦に進出したけれど、彼女はどこにいるのかしら」と反論した。

 ウォズニアッキは自身の2回戦がアウトサイドコートに割り当てられたのに対して、ドーピングによる出場停止処分を経て初めて四大大会(グランドスラム)に出場しているシャラポワが、センターコートのアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で全試合をプレーしていることについて、「受け入れられず、問題がある」と怒りをあらわにした。

 3回戦でソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)を7-5、6-2で退け、ベスト16入りを果たしたシャラポワは、「スケジューリングに関しては、ご存じの通り私が作るものではありません。私は堂々たる競技者なので、ニューヨーク(New York)市クイーンズ(Queens)区の駐車場に追いやられても喜んでプレーします。そんなことは私にとって問題ではありません。肝心なのは私が4回戦に進出したということ。それで、彼女はどこにいるのかしら」とコメントした。

 グランドスラム無冠のウォズニアッキは、先月30日に行われたエカテリーナ・マカロワ(Ekaterina Makarova、ロシア)との2回戦に敗れ、大会から姿を消している。この試合は当初、5番コートで行われる予定だったが、実際には広い17番コートに変更された。

 元世界ランク1位のウォズニアッキは、「センターコートが完全にビジネス優先であることは理解できるけれど、運動能力向上薬を使用する違反を犯した人間があっという間に毎回センターコートで試合をするなんて問題がある」と主張していた。

 2006年大会で優勝しているシャラポワは、15か月間の出場停止処分が明けて4月にツアー復帰を果たしたものの、全仏オープンテニス(French Open 2017)ではワイルドカード(主催者推薦)が与えられず、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)も故障で欠場した。

 現在の世界ランキングが146位まで後退し、今大会の本戦出場にはワイルドカードが必要だったシャラポワだが、大会主催者である全米テニス協会(USTA)の期待に応え、初戦では第2シードのシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)を倒し、2回戦では1セットダウンから逆転してティメア・バボス(Timea Babos、ハンガリー)に勝利した。

 準々決勝進出をかけて3日に行われる4回戦で第16シードのアナスタシヤ・セバストワ(Anastasija Sevastova、ラトビア)と対戦するシャラポワだが、同じロシア生まれで米国籍を持つケニンとの試合では、38本のウイナーをたたき込みながら33本のアンフォーストエラーも記録しており、ミスの数を減らす必要がある。

 シャラポワは自分より12歳年下の18歳であるケニンから憧れの存在だと言われたことを明かし、「ロッカールームではとてもうれしい言葉をもらいました。本当にうれしかった。彼女が頭角を現して試合に出てきたことは驚きませんでした。前回の対戦では、たしかマッチポイントを数本かわされたと思います。粘り強い選手で、何度も打ち返してきます。経験は足りないかもしれませんが、タフな選手です」と語った。(c)AFP/Dave JAMES