北朝鮮、韓国紙記者ら4人に死刑宣告「侮辱する書評を掲載」
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【9月1日 AFP】北朝鮮の中央裁判所は、同国を侮辱する書評を書いたとして韓国紙の記者ら4人に死刑を宣告した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が8月31日報じた。
問題となっているのは保守系の朝鮮日報(Chosun Ilbo)と東亜日報(Dong-A Ilbo)が掲載した書評。ソウル(Seoul)を拠点とする英国人ジャーナリスト2人が2015年に出版した「North Korea Confidential(仮訳:北朝鮮の秘密)」の韓国語版を紹介した記事で、北朝鮮の中央裁判所は「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の尊厳をひどく侮辱するという忌まわしい罪を犯した」と非難している。
同書は、北朝鮮の日常生活で市場の役割が拡大していると詳述。闇市では韓国のテレビドラマのDVDなどが売られ、捕まっても「賄賂」を支払えば解放されるという。また韓国のファッションアイテムや髪形をまねる人もいると記されている。
韓国語版は「Capitalist Republic of Korea(仮訳:資本主義者の北朝鮮)」と改題され、表紙には米ドルのマークが描かれている。
KCNAによると、中央裁判所は声明で、朝鮮日報と東亜日報は「厚かましくも」本の表紙の写真を紙面に掲載して「神聖なわが国の名前や国章まで中傷・侮辱した」と批判している。その上で、両紙の記者2人、出版元の社長2人に死刑を宣告。「上訴の権利はない。追加手続きは一切行わず、いついかなる場所においても執行され得る」と述べている。(c)AFP