【8月31日 AFP】イタリアのシチリア(Sicily)島西部の洞窟で見つかった素焼きの陶器に、6000年前にさかのぼる発酵ぶどうの痕跡が確認された。調査した国際研究チームは、世界最古のワインはイタリア産だった可能性があるとしている。このほど国際化学誌「微量化学ジャーナル(Microchemical Journal)」に論文が掲載された。

 米サウスフロリダ大学(University of South Florida)の考古学者、ダビデ・タナシ(David Tanasi)氏が率いる国際研究チームは、シチリア島アグリジェント(Agrigento)近郊クロニオ山(Mount Kronio)の洞窟で発見されたテラコッタの複数のつぼの残留物を調べた。

 研究に参加したイタリアのカターニア大学(University of Catania)の化学者、エンリコ・グレコ(Enrico Greco)氏はAFPの取材に、この洞窟は「おそらく神々への供え物がされた神聖な場所だったのだろう」との見方を示している。

 同氏はこれらのつぼについて「洞窟の中で発見されたため、埋もれず、中身も、長年の間に凝固してはいたものの保存されていた」と説明した。

 調査により、この発酵ぶどうは紀元前4000年のものであることが判明。これまでイタリア最古とされてきたブドウ栽培の痕跡から、さらに約3000年さかのぼる重要な発見となった。(c)AFP