【8月29日 AFP】ミャンマー北西部ラカイン(Rakhine)州でイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の武装集団が襲撃を繰り広げたことをめぐり、バングラデシュ当局はミャンマー側に共同軍事作戦を提案したことが分かった。

 バングラデシュと国境を接するミャンマーのラカイン州では、25日にロヒンギャの武装集団が治安部隊に対して組織的な奇襲を仕掛け、それ以降戦闘が激化している。

 また治安部隊の反撃により、武装勢力のメンバー約80人を含む100人超が死亡するとともに、多数のロヒンギャが国境を越えて隣国バングラデシュに避難する事態となっている。

 そうした中、バングラデシュの外務省幹部は、首都ダッカ(Dhaka)でミャンマーの代理公使と会談し、両国の国境付近でロヒンギャの武装集団に対する共同軍事作戦を提案。匿名を条件に取材に応じたバングラデシュ外務省の当局者の1人は、「ミャンマーが望めば、両国の治安部隊は国境地帯で、武装集団や国家組織ではない当事者たち、もしくはアラカン軍(Arakan Army)に対する共同作戦を行うことができる」と述べた。

 その一方、国連によると過去3日間で、ミャンマーからバングラデシュに3000人以上のロヒンギャが逃れた一方、大多数は国境で足止めをくらっているという。

 またバングラデシュ国境警備隊(Border Guard Bangladesh)の幹部はAFPの取材に対し、「国境には6000人ほどのミャンマー人(ロヒンギャ)が集まっており、バングラデシュに入国しようとしている」と述べた。また匿名を条件に取材に応じたある隊員は「われわれはロヒンギャのバングラデシュへの入国を認めないよう命じられている」と語っている。(c)AFP