【8月29日 AFP】(更新)全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)は28日、女子シングルス1回戦が行われ、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は6-4、4-6、6-3で大会第2シードのシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)を下し、四大大会(グランドスラム)復帰戦を白星で飾った。

 現在30歳のシャラポワは、前腕の故障で前哨戦は1大会にしか出場していなかったが、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われたこの日の一戦では、64本のアンフォーストエラーを数えながらも60本のウイナーを放ち、速いテンポのテニスでハレプを撃破した。

 シャラポワは試合後、「これはまた別の新しい一日、チャンス、そして試合だと思っていたが、そんなものははるかに超越したものだった」とすると、「なんのために努力するかと疑問に思うこともあるけど、すべてはまさにこれのためだった」と語った。

 華やかなドレスに身を包んだグランドスラム通算5勝のシャラポワはまた、自身に温かい声援を送ったスタンドのファンに対し、「私には何があってもくじけない勇気がある。もうどこにも行かないわ」と高らかに言い放ち、インタビューを締めくくった。

 昨年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)で実施されたドーピング検査で禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示し、15か月間の出場停止処分を科されていたシャラポワは、これでハレプとの対戦成績を7戦全勝とした。

 気持ちを高めて試合に臨んだシャラポワは、試合中に何度も拳を握ったり、雄たけびを上げたりして自分を鼓舞し続けた。チェンジオーバーの時にも目をつむって集中力を高めたシャラポワは、最後のポイントでハレプがチャレンジを要求するも、判定の結果には自信があった様子で、ラリーが途切れると膝からコートに崩れ落ちた。

 2時間45分の激戦を制したシャラポワは、ネットに歩み寄ってハレプや主審と握手を交わすと、そこからはこぼれ落ちそうになる涙を我慢できず、詰めかけたファンに対してむせび泣きながら「ありがとう」と言った。

「マッチポイントを制するまでは、どのような気分になるか見当つかないもの。でも本当に価値のあるものだった」

 セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)に敗れた昨年の全豪オープン準々決勝以来となるグランドスラムの試合を戦ったシャラポワは次戦、3回戦進出をかけてハンガリーのティメア・バボス(Timea Babos)と顔を合わせる。

 4月に処分が満了した現在世界146位のシャラポワだが、今年の全仏オープンテニス(French Open 2017)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)は欠場していた。(c)AFP/Jim SLATER