リプニツカヤが拒食症で引退決意、ソチ五輪フィギュア団体の金メダリスト
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【8月29日 AFP】ソチ冬季五輪のフィギュアスケート団体で金メダルを獲得したユリア・リプニツカヤ(Julia Lipnitskaia、ロシア)が、拒食症の治療を理由に現役引退を決意し、来年開催の平昌冬季五輪出場を断念した。ロシア国営タス通信(TASS)は28日、同選手の母親の話として、19歳のリプニツカヤは「拒食症の治療を行っていた欧州から帰国したあと、今年4月にロシアフィギュアスケート連盟(FSFR)に引退を伝えた」と報じている。
しかし、FSFRのアレクサンドル・ゴルシコフ(Alexander Gorshkov)会長は、リプニツカヤから引退届を受理していないとして、同選手について現在も代表チームのリザーブであると話し、「うわさを相手にすることはできない。私の立場としては事実に基づいて物事を進めていく。ユリアからの声明を待つしかなく、今のところは単なる臆測にすぎない」とコメントした。
リプニツカヤは2014年ソチ五輪の団体で母国の金メダル獲得に貢献し、同年に開催された世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2014)では、女子シングルスの銀メダルに輝いた。しかし、その後は目立った成績を残せず、16-17フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第3戦、ロシア杯(Rostelecom Cup 2016)では脚の深刻な故障に見舞われ、残りのシーズンを欠場した。
リプニツカヤはまた、今年6月に撮影された写真で妊娠が疑われた際には、ロシア版フェイスブック(Facebook)の「VK」でうわさを一蹴し、「私が生涯ずっと37キロの体重を維持すれば満足?体重が減るのはもう十分よ」と投稿していた。
ロシアの女子フィギュアスケート界では、ユリア・アンチポワ(Yulia Antipova)も拒食症で体重が24キロまで落ち込む危機に直面した例があり、2015年に同選手の治療を担当したイスラエルの医師は、死に至らなかったのは奇跡だとしていた。
ロシアを代表するコーチのタチアナ・タラソワ(Tatiana Tarasova)氏は、リプニツカヤがキャリアを再び開始する可能性を疑問視しており、「彼女はソチ五輪で美しいパフォーマンスを披露しました。赤いドレスを着た少女の姿を人々は決して忘れないでしょう。彼女の素晴らしい人生の再スタートを祈っています。彼女にはその資格があります」と語った。
ロシアでは先日、ソチ五輪の女子シングルスで金メダルを獲得した21歳のアデリナ・ソトニコワ(Adelina Sotnikova、ロシア)も負傷で平昌五輪欠場を表明している。ロシア通信社のRスポーツ(R-Sport)は、同選手のコーチを務めるエフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko)氏の話として、「アデリナは、足首のけがで来季は競技しない」と伝えた。(c)AFP