イラク軍、タルアファル中心部など奪還 「犠牲祭までに勝利を」
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【8月27日 AFP】イラク軍は26日、北部の要衝タルアファル(Tal Afar)の中心部と歴史的城塞(じょうさい)をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から奪還したと発表した。国内に残る数少ないISの拠点都市であるタルアファルの完全奪還を進める構えだ。
イラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相は今年7月、ISが2014年に制圧し「カリフ制国家」樹立を宣言した同国第2の都市モスル(Mosul)奪還作戦で勝利したと宣言。その後今月20日にタルアファル奪還作戦を開始し、1週間もたたないうちに今回の成果を得た。
タルアファル奪還作戦を指揮するアブドゥラミル・ヤララ(Abdulamir Yarallah)司令官は、「イラク軍対テロ部隊(CTS)は(タルアファルの)城塞地区とバサティン(Basatin)地区を奪還し、城塞の上にイラク国旗を掲げた」と述べた。
またCTSと連邦警察の部隊は25日にタルアファル南部アルタリアア(Al-Taliaa)地区を奪還した後、北部の3地区と城塞の西にあるアルラビア(Al-Rabia)地区も奪還した。
ヤララ司令官は、CTSと連邦警察の部隊は26日、タルアファルから北に15キロ離れたタルアファルとシリア国境間の戦略的位置にあるアルアヤディ(Al-Ayadieh)でISと戦闘を行ったと述べた。
モスルから70キロ西に位置するタルアファルは、モスルとシリア国内のISの支配領域を結ぶ戦略上重要な幹線道路沿いにある。イラク軍はモスルを奪還するまで9か月の苦闘を強いられたが、タルアファル奪還作戦はモスルでの作戦よりはるかに迅速に進んでいる。
イラク当局は、同国で来月2日に始まるイスラム教の祭日「犠牲祭(イード・アル・アドハ、Eid al-Adha)」までにタルアファル奪還作戦での勝利を宣言したいとしている。
かつてタルアファルにはイスラム教シーア派(Shiite)のトルクメン人を主体とする約20万人が暮らしていたが、シーア派を敵視するスンニ派(Sunni)のISがタルアファルを制圧した後、住民の多くはタルアファルから避難した。(c)AFP/Ali Choukeir with Valerie Leroux in Baghdad