【8月26日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領(39)が就任後最初の100日間でメーキャップに2万6000ユーロ(約340万円)も費やしていたことが明らかになり、批判する勢力に新たな攻撃材料を与えている。

 仏誌ルポワン(Le Point)が明らかにしたもので、大統領府も25日、AFPに対し事実だと認めた。マクロン大統領は5月中旬の就任以来、フリーランスのメーキャップアーティストにこれだけの金額が支払われていた。

 髪が薄くなっていたフランソワ・オランド(Francois Hollande)前大統領が専属ヘアドレッサーを税引き前の月給約1万ユーロ(約130万円)で雇ってることを認めざるを得なくなったきまりの悪い暴露をほうふつとさせる。

 マクロン大統領のメーキャップ費用2万6000ユーロは、1万ユーロ(約130万円)と1万6000ユーロ(約210万円)に分けて請求されていた。フランスのほとんどのメディアがこの問題を報道し、反マクロン派にとって格好の攻撃材料となった。

 極右政党・国民戦線(FN)のフロリアン・フィリポ(Florian Philippot)副党首は「フランスは奴隷のようにあくせく働いているというのに、マクロン氏は最低賃金の23倍(に相当する金額)を自分の顔に塗りたくっている」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 大統領府筋は仏テレビ局BFMに対し、今後メーキャップ代は大幅に減るだろうと述べる一方、オランド前大統領とニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)元大統領はもっと大金をメーキャップに費やしていたと主張した。

 欧米の男性政治家の多くがメディアに登場する際にスタジオの照明によって顔が白く見えることを防ぐためファンデーションを塗ったり、目の下のくまを隠すためにコンシーラーを使ったりしている。

 フランス史上最も若い大統領であるマクロン氏の支持率は、5月の大統領選の勝利以降急落しており、悪いタイミングでルポワン誌に暴露される形になった。

 最近行われた世論調査で、マクロン氏のこれまでの仕事ぶりに満足していると回答したのは37%に過ぎない。マクロン氏は来月、公約した労働市場改革の強行という厄介な問題に切り込むことになっている。(c)AFP