【8月25日 AFP】中国南部で猛威を振るった台風13号(アジア名:ハト、Hato)で、最も深刻な被害を受けたマカオ(Macau)の崔世安(Fernando Chui)行政長官は24日夜、暴風雨警報を出すのが遅れたことを記者会見で謝罪した。また、マカオ気象当局の局長は辞任した。

 カジノの街として知られるマカオでは、25日までに少なくとも9人の死亡が確認された。市内は大規模な洪水に見舞われ、冠水した道路で人々が泳ぐ姿や、地下駐車場が水没する様子がニュースで報道された。

 AFPの取材に応じた50代のタクシー運転手は、「1970年代にマカオに来て以来、こんな状況は見たことがない」と証言。台風が迫る中での当局の遅すぎる対応と、住民への注意喚起がほとんどなかった点について、「運任せのギャンブルをしようとしているみたいだった」と語った。

 特別行政区政府の対応に非難が殺到する中、崔行政長官をはじめとする閣僚らは夜に開いた記者会見で黙とうをささげ、頭を下げた。

 崔長官は報道陣に対し「この2日間、われわれは共に極めて困難な試練に直面してきた。ハトは過去53年間で最強の台風で、マカオにとてつもない被害をもたらした」と説明。「われわれの対応が不十分だったこと、改善の余地があることを認める。マカオ政府を代表して住民に謝罪の意を表する」と述べるとともに、地球物理気象局の局長が辞任したことを明らかにした。(c)AFP