ドイツ企業が中国で「技術工房」設立 技術者の人材育成図る
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【8月28日 CNS】ドイツで100年以上の歴史がある空調器・給湯器老舗メーカー、バイラント(Vaillant)社が中国・南京(Nanjing)で「独具匠心・バイラント工房」人材育成プロジェクトをスタートさせた。ドイツ水準の技術サービスチーム「第一陣」を中国で育成することが主な目的で、中国消費者のための高品質な取り付けサービスの提供と、中国製造業界の人材育成と産業の構造転換、高度化を目指す。
バイラント中国の王偉東(Wang Weidong)総経理は、「中国製造業は30年以上に及ぶ発展を通じて、目ざましい進歩を遂げている。『匠の精神』が求められる中、真摯で厳密な作業姿勢やサービスの強化など、それに関わる人材の育成を進めていかなくてはならない」と述べた。中国での消費内容がグレードアップしていくのに伴って、快適な住まいを求める消費者の要求も増えてきている。特に、空調などの取り付け作業は消費者が最も重視する要素の一つだという。
現在、この業界における取り付け作業員の入れ替わりは激しく、作業員の多くは系統的理論や知識、経験に乏しく、大きな市場ではあるが優秀な技術スタッフが不足している。バイラント社は十分な事前調査を行ったのち、積極的にドイツ式の「二元制」職業教育システムを中国の住居サービス関連業界に導入すると同時に、「バイラント工房」を設立して人材育成にも力を入れていく。
バイラント中国の浦コン(Pu Kun)技術養成総監によると、「バイラント工房」は技術作業の中でもセッテイング業務を重視したうえで、取り付け作業員の育成に重点を置くとしている。育成内容は、理論と実戦を融合させて、現代的な住まいのデザインや設備に関する理論をカリキュラムの中に取り込む。「二元制」の養成モデルを採用し、参加者は全国的に募集する。養成カリキュラムの終了後、合格した学生には3業種の「バイラント職業資格証明書」が交付され、その中にはドイツ手工業技能発展センター(ZWH)が中国との共同で初めて発行する「バイラントガス暖房・加熱取付工証書」が含まれるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News