ISの性暴力被害者救済に一層の努力を、国連がイラクに求める
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【8月22日 AFP】国連(UN)は22日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から性暴力を受けた数千人の女性や少女たちが治療や保護、補償を確実に受けられるよう、イラク政府により一層の努力を求めた。
国連イラク支援ミッション(UNAMI)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は22日に公表された報告書において、性暴力により生まれた子どもたちは生涯にわたる差別や虐待を受ける危険性があると警告した。
ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は声明で、「女性らがISから受けた身体面、精神面、感情面の傷の大きさはほとんど計り知れない」と指摘し、「被害者、さらにその子どもたちが生活を再建しようとする場合、正義と補償が必要となる」と訴えた。
報告書は、少数派のヤジディー(Yazidi)教徒など、多くの女性や少女がIS支配地域で、レイプ、拉致、隷属など、残酷で非人道的、かつ悲惨な扱いを受けて虐待されていたと指摘している。
ISが2014年に制圧した同国北部シンジャル(Sinjar)では、性奴隷とするための「戦利品」としてヤジディー教徒の女性や少女ら数千人が連れ去られた。女性たちはイラクの支配地域内で取引されたといい、今なお3000人近くが捕らわれの身にあるとみられている。
また報告書は、イラク政府が国内法および国際法の下で加害者らを訴追し、被害者に対する補償を確実なものとする責任を負っていると指摘している。(c)AFP