【8月20日 AFP】レバノン軍は19日、同国東部のシリア国境近くでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を開始した。ISはシリアとイラクのそれぞれの支配地域で複数の軍事攻撃を受け劣勢が鮮明になっており、これまでイラクの拠点としてきたモスル(Mosul)も同国政府軍が7月に奪還した。

 2011年3月から内戦が続くシリアとの国境に近いレバノンの山岳地帯では長い間、武装勢力が活発な動きをみせている。2014年にはISの戦闘員が国境の町アルサル(Arsal)に進攻し、レバノン軍の兵士や警官ら30人を拉致。以来、国境地域に展開する治安部隊は常態的にISの攻撃にさらされていた。

 レバノンのジョゼフ・アウン(Joseph Aoun)陸軍参謀長は19日、ISが活発な動きをみせている国境付近の山岳地域ジュルド・ラスバールベック(Jurud Ras Baalbek)とジュルド・アルカア(Jurud al-Qaa)でIS掃討作戦を開始したことを明らかにした。

 アリ・カンソ(Ali Qanso)軍報道官も、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)のテロリスト」を掃討して国境の山岳地域を奪還すべく、レバノン軍はISに立ち向かっていると述べた。同報道官によると、120平方キロにおよぶ山岳の2地域には約600人のIS戦闘員が潜伏していると、レバノン軍はみているという。(c)AFP/Rana Moussaoui