【8月19日 AFP】(更新)米ホワイトハウス(White House)は18日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の首席戦略官・上級顧問で、極右思想で批判を集めていたスティーブ・バノン(Steve Bannon)氏が、同日付で退任したと発表した。現地メディア各社はバノン氏が解任されたと報じている。

 サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官は声明で「ジョン・ケリー(John Kelly)大統領首席補佐官とスティーブ・バノン氏は、きょうをスティーブの最後の日とすることで互いに合意した。われわれは、彼の貢献に感謝しており、今後の健闘を祈っている」と発表。バノン氏が辞任したのか、解任されたのかは明言しなかった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)はこれに先立ち、トランプ氏がバノン氏解任の決断を側近に伝えたものの、その時期や方法についてはホワイトハウス高官らと協議中だと伝えていた。

 トランプ氏は、先週末にバージニア(Virginia)州シャーロッツビル(Charlottesville)でネオナチ(Neo-Nazi)や白人至上主義者らが開いた集会で起きた衝突事件について、反人種差別派のデモ隊にも同様の責任があったと主張し、共和・民主両党から批判を浴びている。

 バノン氏は、超保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース(Breitbart News)」の元会長で、反対勢力から白人至上主義者とのレッテルを貼られていた。政権入りしてからはホワイトハウス内で続く権力闘争の中心人物となったが、トランプ氏はバノン氏に集まる注目にいら立ちを募らせていたとされる。

 またメディア報道によると、バノン氏は今週に行った左寄りメディアとのインタビューで、北朝鮮問題についてトランプ氏と異なる見解を表明したことで、大統領の怒りを買っていた。(c)AFP