【8月18日 AFP】米南部のジョージア(Georgia)州の人里離れた森の中で、クリス・ヒル(Chris Hill)さん(42)は毎月、友人らと共にキャンプファイアを囲んで語り合ったり、バーベキューを食べたりして数日を過ごす。滞在中、彼らは半自動ライフルを使った訓練も行っているが、これは政府が彼らから武器を取り上げる決定をしたときに対応できるようにしているのだという。

 戦闘服に身に包み、軍仕様の武器で武装した約20人のメンバーからなるグループ「ジョージア治安部隊(GSF)」は週末に集まり、焼け付くような暑さの中で、偵察や実弾を使った射撃の練習、さらには実物大模型家屋への襲撃訓練も行う。

「内戦、暴動、北朝鮮やロシアからの電磁パルス(EMP)攻撃、外国政府による侵略、そしてわが政府が武装解除を狙い国民に銃を向ける場合に備えている」とヒルさんは語る。

 普段は法律事務所で働いているというヒルさんは、2008年に自身が設立したグループで指揮を執るときだけは「ブラッドエージェント」という司令官としての呼称を好む。

 GSFは、現在米国で活動する推定165の「ミリシア」と呼ばれる反政府武装組織のひとつだ。グループの目標はそれぞれ異なるが、政府に対する不信、武装携行の権利をはじめとする個人自由への強い信念、そして昨年の大統領選挙以降は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対する親近感という点での共通項がある。

 GSFのキャンプ地周辺には、南部連合(Confederate States of America)の旗がはためいている。この旗が想起させるのは、「オールドサウス」における人種差別だ。