仏パン職人、中国で半年近く身柄拘束 期限切れ小麦粉使用の疑い
このニュースをシェア
【8月17日 AFP】中国で、フランス人のパン職人が使用期限切れの小麦粉を使用していた疑いで逮捕され、3月から当局に拘束されたままになっていることが分かった。釈放を求める署名運動を開始した家族が16日、明らかにした。
ローラン・フォルタン(Laurent Fortin)さん(48)は、フランス人事業家が経営するベーカリーチェーン「ファリーヌ(Farine)」の上海(Shanghai)店に昨年末から勤務していたが、保健当局による強制捜査で店と倉庫から期限切れの小麦粉が見つかったとして、中国人店員6人と共に逮捕されたという。
経営者のフランク・ペコル(Franck Pecol)氏は当時、中国国内におらず、現在はフランスにいるとみられる。
フォルタンさんの家族は、署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ(Change.org)」で「ローランの即時解放とフランス政府の介入を求める」請願を開始した。AFPの取材に応じた兄弟のダビッド(David Fortin)さんによれば、逮捕された直後のフォルタンさんはベッドも椅子もない厳しい環境で身柄を拘束されていたという。
有罪になれば最大15年の禁錮刑が言い渡される恐れがある。ローランさんの母親は、仏紙パリ・ノルマンディー(Paris Normandie)に「あの子は会社の従業員の一人でしかないのに」と訴えている。
ローランさんの勤務していた「ファリーヌ」上海店は、フランスパンや焼き菓子を提供し、現地駐在のフランス人や裕福な中国人が集まる人気店だが、ローランさんらの逮捕に先立ち、元従業員が中国版ツイッター(Twitter)の「ウェイボー(微博、Weibo)」に、店ではフランスから輸入した期限切れの小麦粉を使用していると主張する投稿を行っていた。(c)AFP