【8月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の1月の就任式当日に行われた抗議デモをめぐり、主催したウェブサイトの訪問者の個人情報を提供するよう米司法省が米ウェブホスティングサービス企業に求めていることが分かった。この企業が要請を拒否していることを明らかにした。米国では、電磁的記録のプライバシー権をめぐってIT企業と当局が争う事例が相次いでいる。

 カリフォルニア(California)州に本社を置くドリームホスト(DreamHost)は14日の声明で、1月20日に行われた大統領就任式でトランプ氏に対する抗議デモを主催したサイト「ディスラプトJ20(DisruptJ20、「1月20日をぶち壊せ」)」に関して、司法省から「訪れたユーザーを特定するため」、訪問者130万人超のIPアドレスや電子メールアドレスなどの個人情報の提供を求める捜索令状を受け取ったことを明らかにした。

 その上で、政府の要請は言論の自由やその他の権利を侵害するものだとして、この令状に異議を申し立てる方針を示した。

 米IT企業と司法当局の間ではユーザー情報をめぐって対立がある。最近では、2015年12月にカリフォルニア州サンバーナーディーノ(San Bernardino)で起きた銃乱射事件の容疑者が使用していた「iPhone(アイフォーン)」に保存されている情報を入手するため、米連邦捜査局(FBI)がアップル(Apple)にロックの解除を要請。アップルはそれを拒み、法廷闘争になった。

 市民の自由を擁護する団体などからはドリームホストの立場を支持する声が上がっている。(c)AFP