トランスジェンダー入隊禁止は未決定 マティス米国防長官が示唆
このニュースをシェア
【8月15日 AFP】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は14日、心と体の性別が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)の人々の米軍入隊について、今後ホワイトハウス(White House)が追加の指針を発表するとの見方を示し、入隊禁止を表明したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の発言が決定事項ではない可能性があることを示唆した。
バラク・オバマ(Barack Obama)前政権は1年以上前にトランスジェンダーの兵士が性自認を隠すことなく軍務に就くことを認めたが、トランプ大統領は先月26日、ツイッター(Twitter)にそれを覆す内容の投稿を3回にわたって行っていた。
しかしホワイトハウス(White House)はそれ以降、この禁止措置をどのような条件で発効するのか、すでに自身の性自認を明らかにして軍務に就いているトランスジェンダーの人々の処遇をどうするのかについて、正式な指針を国防総省に示していない。
マティス長官は、ホワイトハウスが追加の指針を発表することは「間違いない」とし、国防総省はこの問題に関する考察を重ね、その結果を軍に伝えていると明言。記者団に対して、追加の指針は「トランスジェンダーの人々がどのような条件下で軍務に就けるのか、どんな医療支援を必要とするのか、軍務に就くのが不可能な場合、他の兵士がその任務をすべて肩代わりする期間はどのくらいになるのかについて記したものになる」と述べた。
オバマ前政権の政策は依然として有効だ。マティス長官は、国防総省が今後もトランスジェンダーの人々を軍に採用するかどうかについて記者団から強く問われると、「この問題について検討していく」と述べるにとどめ、国防総省は、ホワイトハウスから「今のところ誰かに何らかの害を与える」ような指示は一切受け取っていないと説明した。
これに先立ち、米空軍、沿岸警備隊、陸軍に所属するトランスジェンダー女性5人が9日、トランスジェンダーの米軍入隊禁止の復活は憲法違反であり、除隊を強制される恐れや退役給付金を受け取れない可能性があるなど、将来の不安に直面しているとして、トランプ大統領とマティス長官、国防総省の高官らを米連邦裁判所に提訴していた。
一方、マティス長官は今回の記者会見で、トランプ大統領が解任を求めているとされる、米軍および北大西洋条約機構(NATO)のアフガニスタン駐留軍を率いるジョン・ニコルソン(John Nicholson)司令官の支持を表明した。(c)AFP