【8月15日 AFP】(更新)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は14日、朝鮮人民軍戦略軍の司令部を視察し、米領グアム(Guam)周辺へのミサイル発射計画について説明を受けた。米国の振る舞いを「もう少し見守る」と述べ、ミサイル発射を先送りする意向を示す一方、米国の動き次第では「既に宣告している通り」行動を起こすとも強調した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が15日伝えた。

 金委員長はミサイル部隊を管轄する戦略軍司令部で、グアム周辺を包囲射撃する計画を「長時間検討し」「議論した」という。

 金委員長は「米帝国主義者らは無謀な軍事的緊張を自ら作り出して大騒ぎし、自分で自分の首を絞めた」と非難。

 その一方で「みじめなつらい瞬間を味わっているヤンキー(米国人)たちの愚かな振る舞いをもう少し見守る」とも述べた。

 金委員長は「現在の緊張を和らげ、朝鮮半島(Korean Peninsula)の危険な軍事衝突を阻止するため、米国はまず適切な選択を行い、行動でそれを示さなければならない」と主張。「朝鮮半島で危険千万な妄動を続けるなら」既に宣告している通り行動すると言明した。

 北朝鮮をめぐっては、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との激しい言葉の応酬もあり緊張が高まっているが、専門家からは今回の金委員長の発言は危機の鎮静化につながる可能があるとの見方が出ている。

 アメリカ進歩センター(Center for American Progress)のアダム・マウント(Adam Mount)氏は、北朝鮮がこれまでにも行ってきたように「今回もミサイル発射の凍結と引き換えに米韓軍事演習の凍結を持ちかけようとする」動きと分析している。(c)AFP