引退のボルト、期待外れな結果も「成し遂げたことは変わらない」
このニュースをシェア
【8月14日 AFP】陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は13日、第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)が期待外れな結果に終わったものの、これまでのキャリアで達成した偉業が変わることはないと語った。
ボルトは12日に行われた男子4×100メートルリレーでジャマイカチームのアンカーを務めたが、中盤で脚をつって途中棄権に終わるという思わぬ幕引きを迎えた。100メートルで銅メダルを手にしたボルトだが、キャリア最後のレースはメダル無しという形になった。
全競技終了後、6万人の観衆の中でスタジアムを1周することが許されたボルトは会見に臨み、「ここ数日はひどいものだった。これまで常に100パーセントを傾け、成績を挙げようとしてきた。今は陸上から離れるのが寂しい。この世界選手権(結果)が、自分がこれまでに陸上界で成し遂げてきたことを変えるとは思わない」と語った。
国際陸上競技連盟(IAAF)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長から、選手としての優れた能力だけではなく、トラック外でのカリスマ性や堂々としたキャラクターでボクシングのモハメド・アリ(Muhammad Ali)氏と比較されていたボルトは、自らもその関連性を口にした。
「100メートルで負けた後にある人にこう言われたんだ。『ウサイン、心配するなよ。モハメド・アリだって最後の試合で負けたんだ。だから気に病むな』とね」
「毎年毎年自分のことを証明してきた」とするボルトは、2005年の世界陸上200メートル決勝で最下位の8位に終わってから、100メートルと200メートルで世界記録を樹立し、五輪で金メダル8個、世界陸上で14個のメダルを手にしてきた。
またボルトは、現役復帰をすることはないだろうと続けた。
「ないね。多くの選手が現役復帰して、恥をさらすのを見てきた。そういう人間にはならない。自由になれることを楽しみにしている。胸が騒ぐし、うれしいね」
「10歳の頃から自分の人生は陸上一色だった。トラック上のことしか分からない。楽しいことやリラックスすることが少し必要なんだ」 (c)AFP/Luke PHILLIPS