経済危機のジンバブエ、1100億円かけ「ムガベ大学」設立へ
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【8月10日 AFP】経済危機に見舞われているジンバブエの政府は9日、10億ドル(約1100億円)を投じてロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(93)を記念する大学を設立する計画を発表した。ムガベ大統領は、反対派に残虐な弾圧を行い国内経済を破滅させたとして非難されている人物。
ジョナサン・モヨ(Jonathan Moyo)高等教育相は記者会見で、「内閣はロバート・ガブリエル・ムガベ大学(Robert Gabriel Mugabe University)の設立を承認した」と発表。「ムガベ大統領の教育への献身と模範的なリーダーシップをこれほど分かりやすく顕彰するものはないだろう」と強調した。
モヨ氏によると、ムガベ大学は首都ハラレ(Harare)から35キロ郊外のマゾウェ(Mazowe)につくられ、科学、技術、工学を専門とし、大学院課程のみで構成される。建設費に8億ドル(約880億円)、研究と技術革新のための寄付基金に2億ドル(約220億円)を見込んでいるというが、財源確保の手段についてモヨ氏は回答を拒否した。
ジンバブエが英国から独立した1980年から権力を握るムガベ氏は、高齢で健康不安を抱えているにもかかわらず来年の大統領選に出馬の意向を示している。
一方、国の経済生産は2000年比で半減し、多くの基礎的サービスが崩壊。歳入の9割超が国家公務員の給与に充てられている状態だ。
国営メディアによると、ムガベ大統領は学位を7つ持ち、11の名誉学位を授与されているという。(c)AFP