戦争にあえぐ中東で自殺や殺人が急増、「失われた世代」出現 研究
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【8月8日 AFP】戦争や紛争にあえぐ中東やその周辺地域で自殺や殺人が急増しており、とりわけ男性に「失われた世代」が生じているとする報告書が7日、発表された。
世界の公衆衛生に関する専門誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・パブリックヘルス(International Journal of Public Health)」に15件の報告書を発表した米ワシントン大学(University of Washington)の広報担当者は、地中海(Mediterranean Sea)東部地域で2015年に自殺や殺人、性的暴行、戦争により20万8179人が死亡したとしている。
アフガニスタンやイラン、サウジアラビア、パキスタン、ソマリア、スーダン、シリア、アラブ首長国連邦(UAE)など22か国があるこの地域の人口は約6億人だが、このうち約14万4000人が戦争で命を奪われたという。
2015年に同地域で自殺した人は3万人近くに上り、個人間の暴力による死者は約3万5000人に上った。これらは「過去25年間でそれぞれ100%増と152%増」だという。
「世界のその他の地域では同期間の自殺者は19%増、個人間の暴力による死者は12%増だった」と報告書は述べている。
報告書の主執筆者で、同大学保健指標評価研究所(Institute for Health Metrics and Evaluation、IHME)中東イニシアチブ部門のアリ・モクダド(Ali Mokdad)氏は、「こうした地域に安定をもたらす方法を見つけることができなければ、中東の未来は厳しい」と語った。(c)AFP