【8月5日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は4日、ブラジルがリオデジャネイロ五輪のレガシーから恩恵を受けるようになるには、もうしばらく時間が必要との見解を示した。

 リオ五輪の開会式から1年が経過したブラジルは現在、2年にわたる深刻な不景気からの脱却にもがいており、最重要都市のリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)も暴力、放置されたスポーツ施設、そして汚職スキャンダルに悩まされている。

「五輪のレガシーに関しては、前向きな兆候も課題もこれから見えてくる」と述べたバッハ会長は、「ブラジルは現在、これまで経験したことがない最悪の危機に直面しており、極めて困難な状況にあることを考慮する必要がある。すべてのレガシーが、計画した時間通りに実を結ぶわけではない」と強調した。

 バッハ会長はまた、2012年ロンドン五輪が開催された英ロンドン(London)のオリンピック・パーク(Olympic park)が、大会閉幕後に改修工事のため1年以上も閉鎖されたことを指摘している。

「2016年のリオ五輪に関しては、この厳しい状況をふまえて公正な見地に立ち、もうしばらく猶予を与えることだ。国は緊急事態に陥っており、現時点ではほかに優先すべき問題があるからだ」(c)AFP